浅見哲先生、Rhett Beckler award 2016を受賞

【日程】2016年8月

浅見哲先生が、今年の8月にアメリカの学会で以下の賞をもらいました。

この学会は、American Society Retina Specialistというアメリカの網膜硝子体学会の位置づけの学会です。その中のfilm festivalという部門に7分くらいのビデオを応募し、審査の結果、Rhett Beckler award を受賞しました。

題名は、「Endovascular Catheter for removing clots in BRVO」で、新規に開発した器具を紹介したビデオです。
BRVOとは、Branch Retinal Vein Occlusion(網膜静脈分枝閉塞症)の略であり、網膜静脈血管内に血栓が形成され、網膜循環障害、網膜出血、黄斑浮腫、硝子体出血などを起こし、視力が低下する疾患です。

現在、その治療法としては、VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤やトリアムシノロン(ステロイド懸濁液)の硝子体注射や、硝子体手術による網膜動静脈交叉部血管鞘切開(シーソトミー)や網膜静脈内t-PA(組織プラスミノーゲンン活性化因子:血栓溶解剤)などの治療が行われております。

しかし、血管内に形成された血栓による詰まりを手術で直接取り除く治療法はありませんでした。この器具は先端に取り付けられた極細の針を網膜血管に刺し、その針の中から極細のワ イヤーを血管内に伸ばし血栓を押し出す、というものです。
実用化にはもう少し時間がかかりますが、将来的に新しい治療法になることを期待しています。

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受賞作品の動画です。ビデオの中には、眼科医新人手術教育によく用いられる摘出豚眼を使用した映像が流れます。そのような画像が苦手な方は視聴をご遠慮下さい。