タンザニア眼科医療支援活動2018 Part6

【報告者】浅見 哲

2018年6月2日(土)
活動最終日は横江美貴さん(在タンザニア日本大使館職員、看護師)の地元のKinyerezi村での検診を行いました。横江さんが用意してくださったバンでKinyerezi診療所に向かいました。この診療所では通常、内科と婦人科の救急処置のみの対応となっていますが、この日は一部屋を眼科検診用として貸していただきました。


Kinyerezi診療所

眼科検診を待つ患者さん

検診希望者には横江さんが事前に問診を取り、視力、血圧、血糖値なども測定していただいていたので滞りなく進みました。
来院予定だった30名のうち、数人は当日現れず。その代わり、噂を聞きつけて飛び込みでやってきた患者さんがいたりして、最終的に27名の眼科検診を行いました。

ほとんどの患者さんは英語が通じないため、横江さんの長女のルナさんが、スワヒリ語と日本語の通訳として大活躍でした。
患者さんの症状は、めやに、かゆみ、視力低下、字が読めない、などでした。めやに、かゆみに対しては日本から持参した点眼を渡して点してもらうようにしました。
視力が低下している方の中には、白内障を疑う人がいたのでムヒンビリ大学病院の受診を勧めました。また、翼状片(白目の表面にある結膜組織が、黒目の角膜上に張り出す病気)が瞳孔中心を覆うくらい進行している方もいて、日本ではこれほど進行した翼状片はまず見られない、というレベルでした。


現地の患者さんに非常に喜ばれたのが老眼鏡でした。
前回の活動時に眼鏡の需要が高いことを知り、今回の活動には多数の老眼鏡、サングラスなどを持参しました。

タンザニアの一般の市民は眼鏡に手が届かないのが実情です。月給が約2-3万円という相場のところ、眼鏡は一番安いものでも5000円ほどするそうです。ですので、ほとんどの人は眼鏡で矯正する習慣がないので、眼鏡で矯正すれば良く見えるはずなのにそのまま放置せざるを得ない現状があります。


初めて老眼鏡を掛け「字が良く見える!」と喜ぶ患者さん。いい笑顔ですね!


特に視力の矯正を必要としない患者さんにはサングラスをお渡ししました。良くお似合いですね!


診察を受けるおじいちゃんを心配そうに見つめるお孫さん

今回、参加者各自が古着を持参し、来院した患者さんに配りました。初めは持って帰る人は少なかったのですが、無料で配っていることを知ると、あっという間になくなってしまいました。特に子供用の古着が人気で、若いお母さんに喜んでいただきました。


検診の仕事を終えた後で、横江さんが家から作って持ってきていただいたおにぎりをみんなでいただきました。久々の手作りおにぎりは大変おいしく、活動の疲れも癒えました。前日も遅い帰りだったのに、お忙しい中、わざわざ作っていただいたことに心までも温まりました。

検診が終わると、横江さんのご主人でありイララ市会議員であるグレーソンさんが、見送りに来ていただいていました。

診療所の前で集合写真を撮って、今回のボランティア活動は終了となりました。


そのままバンに乗り込み空港へと向かいました。


タンザニア眼科医療支援活動の代表者、山﨑俊先生(山﨑眼科院長、愛知県春日井市)
ダルエスサラームのジュリウス・ニエレレ国際空港にて