浅見哲副院長が第31回APACRS学会 フィルムフェスティバルにおいて、屈折/角膜部門2位を受賞しました。

【日程】2018年7月19日

平成30年(2018年)7月19日~21日にタイのChiang Mai(チェンマイ)にて開催された第31回Asia Pacific Association of Cataract & Refractive Surgeons (アジア太平洋白内障屈折手術学会)のfilm festivalのRefractive / Cornea(屈折/角膜)部門で第2位を受賞しました。

フィルムフェスティバルとは、眼科手術に関する新しいアイデア、新しい術式などを8分ほどのフィルム(動画)にまとめて応募すると、優秀な作品に対して賞が授与される、というものです。今年は、日本をはじめ、中国、韓国、インド、ブラジル、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国の眼科医が応募した約80の作品の中から、9つの賞が授与されました。

私のビデオはどういうものか説明します。角膜内皮移植の際に患者さんの前房内に角膜内皮移植片を入れて、中心位置に固定するのですが、患者さんの角膜に直接縫い付けるわけではないため、中心に固定するのに手間がかかる場合があります。そのため、新しい術式を考案しました。どこの手術室にもあるような糸と針を使い、誰でもが簡単に中心位置に固定できる方法です。この術式をまとめて紹介したのが、このビデオです。

今後、この新しい術式が普及することで手術が容易になることを期待したいと思います。

浅見副院長がESCRS(ヨーロッパ白内障屈折矯正学会)VIDEO AWARDSのEducational categoryで2nd prizeを受賞しました。

【日程】2017年10月

第35回ESCRSが2017年10月にポルトガルのリスボンで開催されました。VIDEO AWARDSというのは、手術に関する新しい術式や考え方などを8分程度のビデオにまとめて応募し、審査員の厳しい審査により価値のあるビデオであると認められると賞が授与されるというものです。

浅見副院長のビデオの題名は“A rescue technique for a luxated IOL(眼内レンズ脱臼に対するレスキューテクニック)”です。
最近では、過去に白内障手術をした人で、何らかの原因で眼内レンズの固定組織であるチン氏帯が弱くなり、眼内レンズの偏位、眼底への落下を起こしてしまう方が多くなっているのですが、そのような眼に対して、通常は大きめの切開創を作成していったん眼内レンズを眼球外に取り出して、新しい眼内レンズを強膜内に固定するといった術式がスタンダードとなっています。今回発表したビデオにおいて、落下した眼内レンズを眼内でそのまま縫着・固定するという術式を紹介しました。これにより、眼内レンズ摘出のための大きな創を作成する必要がなくなるというメリットがあります。今回の賞は、この点が評価されたのだと思います。
今後も患者様の眼にとってメリットとなるような術式の改良・開発などを行っていきたいと思います。

ASCRS学会(アメリカ白内障・屈折矯正手術学会)

【記事担当】浅見 哲(副院長) 【日程】2017年5月5日~9日

2017年5月5日~9日にアメリカ ロサンゼルスで開催されたASCRS学会(アメリカ白内障・屈折矯正手術学会)に参加しました。アメリカ国内はもとより、日本、インド、ブラジルなど世界中の眼科医が集まり最先端の知識、技術などの情報を交換する学会であり、今年は6000人の参加者がありました。
今年のハイライトは何と言っても、白内障手術に対する眼内レンズが実用化されてから50年の節目ということで、その功績、歴史を称える発表や展示がされていたことです。
その他のものとしては、白内障手術の際に前嚢切開や水晶体を破砕するフェムトセカンドレーザー(FLACS)や、もうこれ以上新しいことは出ないと思われていた緑内障手術に対して、次々と開発、実用化されている新しいデバイス、など、今後の治療に役立ちそうな情報が満載でした。
また、医療とは関係のない話ですが、アメリカの学会のスケールの大きさを感じた出来事としては、抽選でテスラ(アメリカのテスラモーターズが生産する電気自動車)が当たる企画がありました。私も学会アンケートに答え、抽選券を2枚もらい応募しましたが、当たったらどうやって持ち帰ろうか、という心配も杞憂に終わりました。
短い間の学会参加でしたが、得るものは大きく今後の診療に役立てていきたいと思います。

浅見哲先生、Rhett Beckler award 2016を受賞

【日程】2016年8月

浅見哲先生が、今年の8月にアメリカの学会で以下の賞をもらいました。

この学会は、American Society Retina Specialistというアメリカの網膜硝子体学会の位置づけの学会です。その中のfilm festivalという部門に7分くらいのビデオを応募し、審査の結果、Rhett Beckler award を受賞しました。

題名は、「Endovascular Catheter for removing clots in BRVO」で、新規に開発した器具を紹介したビデオです。
BRVOとは、Branch Retinal Vein Occlusion(網膜静脈分枝閉塞症)の略であり、網膜静脈血管内に血栓が形成され、網膜循環障害、網膜出血、黄斑浮腫、硝子体出血などを起こし、視力が低下する疾患です。

現在、その治療法としては、VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤やトリアムシノロン(ステロイド懸濁液)の硝子体注射や、硝子体手術による網膜動静脈交叉部血管鞘切開(シーソトミー)や網膜静脈内t-PA(組織プラスミノーゲンン活性化因子:血栓溶解剤)などの治療が行われております。

しかし、血管内に形成された血栓による詰まりを手術で直接取り除く治療法はありませんでした。この器具は先端に取り付けられた極細の針を網膜血管に刺し、その針の中から極細のワ イヤーを血管内に伸ばし血栓を押し出す、というものです。
実用化にはもう少し時間がかかりますが、将来的に新しい治療法になることを期待しています。

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受賞作品の動画です。ビデオの中には、眼科医新人手術教育によく用いられる摘出豚眼を使用した映像が流れます。そのような画像が苦手な方は視聴をご遠慮下さい。